てなわけで
オリンピック始まってしまいましたね。
直前のドタバタで実際に担当した方、出演した方々は大変だったででょうね。
ともかく大役を果たせたことに敬意を称します。
ネットでは色々な批判が出ている様子ですが
「金をかけた豪華な開会式」
からの脱却を目指したのかもしれません。
AIに代表される機械文明に突き進む世界で
今一度人間の肉体を強調したいという意図だったのでしょう。
そして、多様性を演出したかった？
ということも現れていました。
日本という国は多様性を認めている国だということを
あらゆるジャンルで活躍する日本人、両親が日本人でなくても
日本人という人物を登場させることによって演出したかったのでしょう。
ただ、そういう意図が見え見えになってしまうというのは
もはやプロの仕事ではありません。
表現の仕方としては素人的な発想でしかありません。
誰かが紅白歌合戦的な薄っぺらな演出と言っていましたが
それは恐らく正しいでしょう。
演出不在ということなのでしょう。
それは直前で降ろされたとかそんな単純な理由ではありませんね。
第一に多様性ということに対する今の日本理解の浅さが表れたとも言えるでしょう。
多様性とはバラバラでランダムなことではありません。
様々な環境で生まれ、様々な生き方をしている人間の存在を認め
その中に「普遍性」を見つけていくということです。
自分とは違う国の、自分とは違った文化の、自分とは違った生活環境の人間の中に
共通するものを発見していくことが本当の多様性を認めることではないのでしょうか。
皆違って、それでいい。
でも私たちは同じ人間として共通の感情を持っている。
このオリンピックの開会式はそういう
人間が目指すべき、収束する方向へ示唆があまり感じられず
いつまでもダラダラとそれぞれが統一性もなく続く開会式という印象しか受けませんでした。
演出なんて実は元々いなかったのではないでしょうか？
そして
「多様性を認める」という「上から目線的」な浅い発想でこの開会式は作られていなかったのか？
それが例の過去の「いじめ問題」や「ホロコースト肯定」とも取れる事実の発覚に
象徴されていたような気がします。
日本というのは「多様性を認めてあげる上級国民」と
いじめにあっても貧困に喘いでも「我慢して生きなくてはならない」
国民に分断されている。
気体分子運動論に出てくるランダムな粒子のように
人間はあちこちで勝手に生きている
一生懸命かもしれないけど統一感がなく
この国の目指す方向なんて誰もわからないで
それぞれは美しく、懸命であるけれど
そういう風にしか私には見えなかった。
演出の役割はそこから
それぞれが「理想」かもしれないけど
共通の未来の世界に収束させることではなかったか？
スポーツを通じて頑張る人間に素直に感動しよう
努力が報われる世の中にしたい
この世界を思いやりあふれる環境にしよう
貧しいものや弱い者の存在を知り
助け合える世の中にしよう
そんなメッセージも全く伝わっては来なかった。
このオリンピックはコロッセオで
人間と人間の殺し合い
人間と猛獣の戦い
を眺める上級国民のためのものであるという演出だったのでは
そんな恐ろしい思いが一瞬頭を過ったのは
捻くれ者の私だけだったらいいなと思う。
P．S 「復興五輪」「コロナに打ち勝った五輪」はどこに行ったのかなあ．
「復興を妨げた五輪」、「コロナ収束の妨げた五輪」という結果にだけはならないよう．
せめてアスリートの皆さん、純粋な競技への思いを見せて欲しいです．
