2014年08月

2014年08月27日23:00

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私も愚民だが、愚民であることを知っているだけましだと思いたい。

　てなわけで、夏休みも終わりに近づき
　休み明けの会議の資料作成をしながら私は思ったのです。

　どんなに将来を見据えた提案をしようとも
　どんなにより高い理想を掲げようとも
　民主制の元ではつぶされてしまうのだろうな
　ということだ。

　多数決の原理とはいうが
　恐らく８割から９割の人間が愚かで
　自分の目先の利益だけを考える環境では
　民主制は衆愚制になることは明らかであり

　例えまともな人間が多数派だったとしても
　やがて人間は堕落していくということが真実である以上
　民主制を無条件に許していれば
　どこもかしこも堕落した社会になってしまうのだと思うのだ。
　
　そこで
　そもそも
　日本人に「民主主義が似合うのか？」という疑問を持つことからはじめたい。
　日本人の大多数が自分の発言に責任を持ち
　少数派の意見も大切にしながら
　自分達で何かを決めていこう。

　そういう発想をするのだろうか？
　そこから考えてみると
　昔から統治され
　会社でも上司の決定に従い
　小作人は言われたとおりに年貢を納めてきた。
　つまり支配されることを好む民族ではないのかと思うのだ。

　自分達で革命を起こして
　自分達の理想郷を作ることよりも
　水戸黄門みたいな素晴らしい人に国を治めてもらい
　良い国を作ってほしい。

　そういう人間がほとんどだろう。（日本人には限らないか）
　
　とすれば
　多数決に何の意味があるのだと思ってしまう。
　賛成も反対も無責任に主張するだけ
　責任もって実行することは実は面倒だからやらない。
　
　自分は正しいこと言ってるんだ。
　あとはその意見を聞いて実行しない誰かが悪い。
　こういう発想する人は必ず
　
　「国は」、「行政は」、「学校は」、「経営者」、「トップは」という言葉を使います。
　
　このような言葉を給湯室や居酒屋やネット内なんかでも使う奴は
　所詮は無責任な奴なんですね。
　そんな無責任な奴に選挙権も議決権も与える必要がないのではないか。

　とまあ、
　こんな風に出鱈目な意見を勝手に述べる僕なんかも愚民なんだろうけどね。

　でもまあ
　何回か書きましたが
　「真実はいつも少数派」
　歴史がこれを証明している以上
　怠け者で自分を正当化してばかりいる一般大衆に負けないように
　頑張らなくてはいけないんだよな。

　そう思い
　明日から戦いが待っていることを考えると･･･。
　ウンザリするのでした。

　
　

　

2014年08月24日23:46

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グローバリズムと全体主義

グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書) [単行本]

ハンナ・アーレント [DVD] [DVD]

　てなわけで
　この一週間はクラブの合宿に行ったり
　学校説明会に出席したりしたわけですが
　
　この期間に物凄く違和感がわったことについて述べると
　一つは集団の圧力ですね
　女子校に居て
　永年行われてきたクラブ活動の方針に対して
　誰もが反論不可能というか
　思考停止状態で従っていること

　そして
　学校説明会では
　各学校が無条件にグローバル人材育成の教育について
　反論不可能であるといわんばかりに主張したり
　そんな名称の学科を作ったりしていることです。
　それは考えてやっているというより
　それも
　一種の思考停止状態なのです。
　グローバルを否定する学校には生徒は集まらないんじゃないかという
　圧力がここでもかかっているんですね。

　
　実際その反論不可能なグローバリゼーションとは何かとなると
　そこまで説明している学校はないということです。
　
　かつて
　「国際化」という言葉がありましたが
　国際化に対して抵抗がなかったのは
　「インターナショナリズム」という国家を前提とした議論だったからだと思うのです。
　日本の国民も世界的な視点をもたねばならん
　というのは、坂本龍馬どころか
　織田信長の時代でさえ考えたことだから
　まあ、抵抗はない。
　そこには日本人というアイデンティティを持ちながら
　世界を観るという考えから来るものだろう。

　しかし
　僕はは２０年ほど前から「グローバリゼーション」という言葉に抵抗があり
　後輩の先生に話していたのだが
　そこには直感的に非常に閉じた世界を前提としていることが原因でした。
　「閉じた」とは
　かつてのキリスト教が啓蒙時代を迎える前にあったように
　それ以外の思想を認めず
　絶対的な思想の正しさを前提とすること
　個人の思想を認めない全体主義を感じたからです。
　「日本人ではなく地球人になれ」
　なんてとんでもない話です。
　なんたって僕らは日本が好きで
　日本人であることから逃れることはできないのです。

　それから20年経ち
　いまや誰もがグローバリゼーションを枕詞のように使う時代になりました。
　そこに
　ニーチェが「神は死んだ」
　と言ったように
　「グローバリゼーションは死んだ」
　と言える勇気を持つ人間が必要になってきていると思うのです。

　新自由主義を通したこの日本の数十年をずっと観ていると
　グローバリゼーションは人間を幸福にしないことは
　誰しも直感的に分かっているはず
　にもかかわらず
　なぜ、誰しも
　特に生徒を育てる学校という場が
　グローバリゼーションを無条件で教育目標とするのか
　
　そこには
　女子校によく現れる
　疑問を顔に出した途端に
　つまはじきにあったり
　イジメにあったり
　という恐れがあるのだと思うのです。
　女だけの集団というのは一歩間違うとそういう集団になるのです。
　恐ろしい！
　（あっ、ここだけの話にして下さい）

　もしもそうだとしたならば
　やはり
　この国にはグローバリぜーションと違う思想をもっと認めたり
　女子校にこだわらない
　男子を入れろとはいわないけど
　皆一緒、表面的には皆で協力ですが
　そういう考えは捨てて皆それぞれ違って良いじゃんという
　多様な考えを受け入れる必要があるのだろうと思うのでした。

　そんなわけで
　おかしいものはおかしいと
　例え友達を失っても言わなくてはならない
　ハンナ・アーレントの生き方に感銘を受け
　自分がそれをやりだしたら
　クビになる日も近いのかなと思う
　今日この頃なのです。
　
　でも
　はっきり言いましょう
　昔から僕はグローバリゼーションは嫌いでした。

　　

2014年08月14日23:52

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東日本大震災をテーマにした本物の演劇を。その必要性を考えて欲しい。

断絶の都市センダイブラック国家・日本の縮図 [単行本]

　てなわけで
　宮城県美術館でゴッホの「ひまわり」を観たり
　平和な日々もあとわずか
　そろそろ仕事に復帰します。

　　☆　☆　☆

　で、東日本大震災から３年５ケ月
　そろそろ
　次に進もうと先日いいました。

　それは
　このことを忘れようとか
　すでに復興が進んでいるということを言いたいのではありません。

　当時から
　「絆」がテーマとなり
　被災者支援をしなくちゃという「あの時」で止まっちゃいかんということです。
　あれから３年経ち様々な問題が浮き彫りになっています。
　
　震災前から言われていた「格差社会」が
　震災復興の間に大きな個人の生活の格差につながっていたこと
　そしてそれは今も現在進行中であること

　復興事情の裏で起きている
　不正について
　などなど
　

　そういえばこの３年間
　書店を回ると
　復興に関する美談の方ばかりが目についていました。
　「絆」をテーマに震災から復興する日本人を美化したい
　マスコミや政府のシナリオが大きいのでしょう。
　
　悲惨な出来事があった→けれども日本は「絆」をテーマにひとつとなった→様々な支援がなされた
　→被災地の人々も復興に向けて頑張った→日本は立ち直る、日本人は頑張り屋だ、美しいのだ。

　まあ、こんなシナリオですね。安倍さんが好みそうな「美しい国」です。
　まるで安いどこかの芝居達みたいです。

　演劇の役割はそういうことではありません。
　そういう誰かが書いた当たり前の裏に潜むものを
　人間を描くことによって真実をあぶりだすことでしょう。
　そういう意味で
　震災後から現在にいたるまで
　ドキュメントとしてマスコミが描いたシナリオ以外のものが登場していません。
　（今年高校演劇全国大会を観たいと思ったのはそれが理由でしたが、仕事でいけませんでした）
　そこで何が起きていていたのか
　きれいな感情も負の感情もきちんと描かなければ
　真実は伝えられない。
　
　被災地で起きている
　妬みや、やっかみや
　犯罪に手を染めてしまっても湧きあがらない罪悪感
　AV女優になってしまう女性の心理や
　仮設住宅内で起こるイジメや
　福島原発避難者に対する嫌悪感や
　

　そんなものが何故生まれ
　何故人間は醜い感情を持ち合わせ
　醜い感情が自分を動かすことを抑えられないのか
　　
　そこから逃げないで向き合うとき
　それでもその先に美しさも持ち合わせているのが人間
　つかこうへいの芝居や
　自分がやってきた演劇での実験から
　そういうことも実感できました。
　きれいごとだけでなく
　人間をきちんと

　それを描くことができるのは
　小説や芝居といったものではないのか。
　
　私が言いたいのはそういうことで

　「あの日を忘れない。わすれてはいけない。」
　
　もはや、そこで止まってちゃいけない。
　そろそろ動きださなくてはいけない。
　演劇で大切なのは常に「現在」だからです・
　現在をきちんと描けば
　「東日本大震災はまだ終わっちゃいない。」
　そういうことが分かるはずです。
　知らんぷりしてる東京の人たちに気づかせるのは
　「現在進行形の大震災」を描くしかないのでは
　まあ、そういうことなのです。

　今自分の環境が芝居を出来ないのに
　こんなこと言えた義理じゃないけど
　被災地で演劇を続けている皆さんには
　どうか
　演劇の役割を感じて
　続けて欲しいと思いながら
　明日、宮城県を去りたいと思います。

　☆　☆　☆
　
　そういう意味で
　この本は実際にNPOとして復興に関わった立場から見た
　ひとつの
　別の視点を見せてくれます。
　100％鵜呑みにする必要はないけど
　別の視点も持ち合わせることが大切なのです。
　
　震災のことを忘れない
　　
　そう言える立場にあるだけ私達は恵まれた状況にあって
　社会からさらに隔絶させられた人々もいることを忘れてはならないのだと思う、
　そんな末端に支援は届いていない。

　それどころか
　それらの人々に届くはずの支援をピンはねする業者やNPO
　関係のない事業に予算を回す
　国までも共犯者なのでしょう。

2014年08月12日23:30

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悲劇が起こらなかったパラレルな世界を夢想すること。

闇の中の男 [単行本]

　てなわけで、宮城県に滞在３日目ですが
　本日は渡部ギュウさんの「東北物語」上演を観てきました。
　原田勇男さんの詩のリーディングとギュウさんの演技＋石垣弘子さんのピアノ
　そして純喫茶星港夜のマスターのMC
　すべてが調和してひとつの世界を創り上げていました。
　１６日にも公演がありますので
　皆さんも是非。

　
　　　☆　☆　☆

　で、この芝居を観ながら夢想したことは
　もしも３・１１がなかったら、この街は、この国はどうなっていただろうか
　という、もう一つの日本、仙台のことでした。

　勿論私も含めて個人的には大きく運命が変わった方も多いでしょう。
　親しき人を失った悲しみに対しては
　私達は投げかける言葉さえもありません。
　
　少しづつ復興が進み
　人々もその記憶が少しずつ薄れてはいきますが
　人々の時間はまだまだあの時で停止しているのだなと感じるのです。
　抗えないと思えた３・１１前の日本の恐るべき時間のスピード
　その耐えきれないスピードを停止させ
　ゆっくりと流れる時間に変えたこと。
　大きな犠牲のもとにそのことがなされたこと。
　そのことの意味を考えていました。
　
　もしも３・１１が起きていなかったら
　幸福な時代が来ていたのでしょうか？
　そうではないことは誰もが容易に分かります。
　
　むしろ
　新自由主義の下にやむを得ないと分かっていても
　突き進み崩壊していく日本の姿があったのではないでしょうか？
　（いずれそういう小説や芝居も出るでしょう）

　いずれにせよ震災がなくても民主党政権は終わっていたでしょうが
　３・１１を経由しない安倍政権は
　今よりももっとブレーキが効かない政策を勧めていたような気がします。

　原発問題の解決や
　東北の復興という
　反論不可能なテーマが
　現在の政権の暴走を食い止めているという現実がそこにあると思います。

　ポールオースター「闇の中の男」は
　９・１１が起こらなかったアメリカ社会を描きます。
　ブッシュ政権が起こした理不尽なイラク戦争に反発しながらも
　９・１１がなかったアメリカで内戦が起こり
　泥沼化していく姿を描きます。

　勿論オースターは９・１１があって良かったということを言いたいのではありません。
　私も３・１１があって良かったなんて１００％思ってもいません。

　僕が夢想したことは
　あれらの出来事の大きな犠牲のもとに
　今僕らが生かされているという事実なのです。
　時間の進む速さを変えてくれた出来事
　じっくりと立ち止まって考える機会を与えてくれた出来事
　だからこそ忘れてはならないし
　無駄にしてはならない。
　だから芝居も詩も音楽も立ち止まり
　この３年間考え続けた
　悲劇を訴え続けた
　
　でもその後、
　先へ進まなくてはならない。
　そろそろ先に進むときなのだ。
　

　生き残った者として
　現在の社会を批判するだけではいけない。

　「けったいな世界がころがっていく中」

　いずれにせよ。世界はけったいなのだ。
　９・１１や３・１１が起ころうと起こるまいと
　
　けったいな世界がころがるなか
　人間が世界を変えるなんてできない以上

　精いっぱいに生を全うすることこそが
　世界に対抗する唯一の手段であると思うのです。
　　　

　
　　　
　
　　

　

　

2014年08月10日23:55

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「朝日のような夕日をつれて」とS氏の自殺についての妄想（あくまでも妄想です）

朝日のような夕日をつれて NEW VERSION―鴻上尚史第一戯曲集 [単行本]

てなわけで
夏期講習中盤戦を終えて
少しだけ夏休みを取らせていただきます。
中学生を教えるのが教師生活３０年目にして初めてですが
皆熱心で感心しています。

　　☆　☆　☆

で、FACE　BOOK　でも書きましたが
朝日のような夕日をつれて2014」を観てきました。
この芝居過去ののビデオ＆DVDはいったい何回観たのだろう。
そのうちのほとんどは演劇部の生徒たちと学校で観たのですが
何回観ても飽きないのですね。
で、何回観ても良く分からない。（笑）
正体不明の面白さっていうのは
分かりやすい話や
ちょっとした良い話
を求める現代には合わないのかもしれないと思っていました。

ですが
やはり今回も面白かった。
大高さんや小須田さんという役者だって
何回演じても面白いから演ってくれるんででょうね。
楽しそうですもんね。
（でもちょっと体力が心配）

以下FACE　BOOKにも書きましたが、若干補足しながら

鴻上さんの「ごあいさつ」はいつもながら共感します。
　一人で立ち続けることの大切さ、難しさ
この芝居を観るといつも考えさせられます。
　「誰も助けてはくれないんだ」
そう思って生きることが自分を強くします。

そう思って生きてきたから
助けてくれる人々もいたのだと
過去の自分を振り返って思います。
甘えないで立ち続けること
今の職場での状況を考えるとなおさら…。
てな話は良いとして

　でも、誰かが救いを求めてきたら
　その人が本当に絶望しているのなら
　助けてあげたいという気持ちは持ち続けたいと…。
　でも、それって本当の優しさなのだろうか？
　誰かに甘えてもらいたいということは
　イコール
　誰かに甘えたいということなのではないのか。
　
　救いを求めてきた人間が
　本当に救いが必要なときまで突き放す
　そんな勇気こそ互いのためになるのではないか。

　　S氏の自殺を前日知り
　　翌日この芝居を観ながら
　　O氏は本当にみよこさんのように苦しんでいたのか？
　　いや
　　みよこさんだって本当に救うべき状況だったのか？
　　彼女はきっと今も生きています。
　　仮面だと思う顔だって彼女にとっては真実のひとつなのではないでしょうか。

　　ここからは失礼を承知で・・・。

　　遺書が公開されています。（公開していいの？という疑問はここでは触れません）
　　S氏が彼女を愛していたことが伝わって来ます。
　　私には今回の自殺は
　　彼が社会的な責任を感じたとか
　　研究者としての将来に絶望したとか
　　彼女に対する謝罪のために自殺したようには思えません。
　　
　　あくまでも個人的な見解ですが
　　O氏が本当に自分を愛してくれているのか
　　それを信じられなくなったからではないかと思うのです。

　　自分がどれほど彼女を愛しているかを
　　彼女に示したくて
　　それで自ら命を絶ったとしたら
　　それならば何となくですが、腑に落ちるのです。
　　

　　愛するという事は依存に繋がる
　　互いに依存しあう中で
　　一人で立ち続けることの大切さを忘れてしまう。

　　そんな恋愛が長くは続かないことも
　　ある程度歳をとると実感してしまうものです。

　　自分が彼女を絶望の淵へ追いやったとしたら
　　彼女をどのようにしても救ってあげたい
　　でも自分には彼女を救う手段がない
　　だとしたら…。

　　とまあ、
　　芝居と今回の事件を重ね合わせてみてしまう自分は
　　やっぱり変な考え方しかできないのだよなと思うのです。
　　病気かな？
　
　　　　
　　
　　
　　　
　
　　
　　
　　　　
　　
　
　　
　　
　　　　

　

早瀬俊@theater_shun