2010年08月

2010年08月30日23:25

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感動しなきゃだめなの？

　てなわけで
　職場から帰ると「はるな愛」の特集（？）

　２４時間テレビの中で
　走った人って次の年は消えてる。何故？

　２４時間テレビが始まったのは私の小学生の頃でしたが
　あの頃純粋だった私は本当にほぼ２４時間観てました。
　眠かったけど。
　本当にこの国を
　弱いものを守る国にしなくちゃいかんって
　小学生ながらに思って観ていたのでした。

　けれども
　番組の雰囲気が変わったのか
　それとも私が教師の癖にひねくれているのか
　ここ数年（あるいは十数年？）は
　悪いけど観る気持ちになれません。
　
　確かに本当にチャリティという目的は否定しませんが
　２４時間感動しなくては
　「ひねくれた人」
　「愛」のない人
　という雰囲気がいやなのです。

　登場する障害者の方々が
　僕には逆に気の毒で観てられないのです。
　なぜでしょうか？
　申し訳ないけど
　この押しつけがましい演出に
　耐えきれな　くて
　番組が観られなくなっています。

　それからついでに
　申し訳ないけど
　DATE　FM　の
　「飲酒運転根絶」のCMが流れる度に　
　何故か苛立つのです。

　反論不可能なことを
　利用している
　何がしかの力を感じて
　反感を覚えてしまうのです。

　もちろん
　はるな愛
　や純粋に頑張っているタレントの方々
　そして登場する一般の方々には
　頭が下がります。

　けれども
　大義名分のもと
　逆らう事のできない雰囲気で
　どこかに向かわせる
　乗って来ない人間は非国民
　いつかの時代を思い起こすのは私だけdしょうか。

　すみません。
　　

　
　
　
　

2010年08月29日23:59

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「世論」とは何か？

てなわけで
　本日も暑い。
　
　今週の話題の中で
　小沢さんの民主党代表選のｓ出馬。
　それに対する世論の反発。

　しかし
　この何人もの総理を降ろし　
　政権交代まで実現した「世論」ていったい何なのでしょう。

　小泉政権のときの「郵政民営化」支持
　昨年の「政権交代」支持

　選挙における熱狂を煽ったのは「世論」
　そして半年と続かない熱狂。
　
　そうです。
　結局「世論」というのは「論」でも「意見」でもない。

　そういうことの表れでしょう。
　だって「郵政民営化」ってどういうこと？
　「政権交代の歴史的な意味は？
　そんなこと考えないで流行に乗ってるにすぎなかったのですから。
　
　危険なのはいつか世論が「戦争支持」を訴えかねない。　
　現在このネットの世界で勢力拡大している「ネット右翼」は
　かつての過ちへの道へと通じている。
　

　所詮「世論」とは「気分」「空気」に過ぎない。
　それを忘れてはいけない。
　だとすればそれは常に「反体制」
　という恰好いい言葉ので飾られた
　「足引っ張り」に過ぎないのかもしれない。

　だとしたら
　論評を書く能力を失ったマスコミの記事埋めに作られた
　世論調査なんかに振り回されないで
　まじめにこの国のことを考える政治家を選んで行くべきだ。
　
　
　
　　☆　☆　☆　　　

　安い給料で働かされている。
　そういう風に思った途端に
　労働者は「奴隷になる。」
　確かに多くの会社というところは
　労働者を「奴隷」としか思っていないところがある。
　
　けれども
　精神の自由までは失ってはいけないし
　どんな仕事にも面白みを見つけ
　奴隷にならない精神的な自由を身につけたいものだ。

　ファミレスの話からの教訓は
　その従業員は時給いくらで働いている人間かもしれないが
　精神が自由であることで「奴隷ではない。」ということだ。

　生活のために我慢はしても
　「魂までは売らない。」

　これが貧しくとも
　精神的に豊かに生活する
　ということだと思う。

　

朝日のようにさわやかに (新潮文庫)
著者：恩田陸
新潮社(2010-05-28)
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　恩田陸さんの小説を久々に読みました。
　試験が近くて生徒の諸君は勉強漬けでしょうが
　私たちはこの期間少しだけ余裕があります。

　「楽園を追われて」
　という作品に興味があって買いました。

　私もいつ死ぬかわからないので
　小説の一遍でも残しておきたいものだと思うのでした。

　
　
　
　　

2010年08月25日23:44

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夏休み最後に「例の事件」について一言

　てなわけで
　本日で夏休みも終わりです。
　授業も部活も午前中はなかったので
　休みをもらって運転免許証の更新に行ってきました。
　偽造免許証で銀行口座をつくり
　犯罪に利用されていることから
　免許証もicチップ化だそうです。
　以前銀行口座がなかなか作れないことを書きましたが　
　こういうことで
　少しは前のように必要な口座を作りやすくしてほしいものです。

　
　☆　☆　☆

　で夏休み最後なので
　この夏休み中にもっとも注目を集めた「例の事件」について
　少々語りたいと思います。

　世間ではこの事件は
　家庭崩壊する家庭の特殊性
　亡くなった被害者の生活に問題があったとか
　妻の異常性ばかりを強調したがっているようです。
　
　けれども
　十分な情報もないままで
　一方的に妻の悪魔的な要素ばかり取り上げるのはどうなんでしょう。
　逮捕された途端にマスコミが望んでいるようなコメントを出す
　近所の方たちって何なんだろうと
　違和感ばかりが募ります。

　こういうことを書くと勧善懲悪的な考えの方に怒られそうですが
　どんな犯罪者にもそれなりに事情がある。
　同じ人間なんだという立場も失ってはいけないような気がします。
　勧善懲悪的な世の中で
　こいつはいくら悪口言っても構わないとなると
　徹底的に憶測を加えて叩くという姿勢は
　慎重にしなくてはならないと思います。
　それは僕が芝居なんかやってるあらかもしれませんが…。

　
　実はこの先生と私は昔
　１対１で酒を飲んだということを事件の後思い出しました。
　確か私立学校の数学研究会で私が事務局をやっていたとき
　何かの研究会の後
　私の教え子の父親がやっている牛たん屋に誘ったのは私です。
　すぐに思い出さなかったのは
　もう１０年以上は昔の話だったからだけではなりません。
　せっかく飲んだのにあまり中身のある話ができなかったからだと思います。

　多分私はお互いの仕事に対する思いを話したかったんだと思います。
　県立高校志向が強いこの県で
　どのような気持で仕事を続けていくか？
　出来の良い生徒や出来の悪い生徒に数学の面白さをどう伝え
　そして数学力を高めてもらうか？
　あるいは担任として
　教師としてどういう思いで仕事をしているのか？
　そういう話をしたかったのだと思います。

　ですが
　そういう仕事に賭ける情熱的な話をした記憶が残っていません。
　残っているのは
　お互いの学校の給与についてになってしまった記憶です。
　まあ
　当時の僕がそんな話をしたがる訳がありませんから
　彼の方からしたのでしょうね。

　３０歳過ぎてから彼の勤める学校は給料があまり上がらず
　大変なんだって話を聞かされただけははっきりと覚えています。
　報道によると
　まだ　その当時は副業も株も不動産もやっていなかった時期ですね。

　
　正直言って
　彼の悲劇はこういうところにあるのかなって思ってます。
　お金のことは大切だけど
　仕事そのものに
　どれだけの目標と情熱があったのだろう。
　仕事そのものに生きがいを見いだせなきゃ
　登校拒否になってしまうこの仕事
もちろんそれなりに仕事熱心だったとも聞いています。
　けれども
　意識が違う方に向いてしまうとなあ。
　
　報道を聞いていて
　悲劇はそこにあったのじゃないかと思うのですよ。
　はい。

　心からご冥福をお祈りします。
　　
　

　

2010年08月22日22:57

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分からないモノへのトラウマ

てなわけで一日遅くなりましたけど
　沖縄興南高校優勝おめでとうございます。
　本当に強かった
　ここに負けたんだから仕方ない。
　そう思える結果で良かったと思います。

　で本日は学校へ行くと
　最近話題の中高一貫校を意識した学校の模擬試験をやっていて
　少々暑い職員室で仕事の傍ら
　台本を少し書き始める。
　
　ですが
　これはボツでしょうな。
　また悪い癖で
　時間と空間が捻じれていくのが分かる。

　時間と空間を捻じ曲げる作業。
　これも立派な芝居作りの一つなのですが
　コンクール用には難しすぎて
　また
　訳わかんないって言われそうなので
　多分稽古場で一度やってみて
　書きなおしだろうなあ…。

　と少々鬱な気分になりながら
　気を取り直すために
　ならばもっと訳のわからないものを読もうってなもんで

　

ペンギン村に陽は落ちて (ポプラ文庫)
著者：高橋源一郎
ポプラ社(2010-06-04)
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高橋源一郎さんの「ペンギン村に陽は落ちて」
が文庫本になっているのを発見し
一気に読みとおす。

　本当に訳の分からない面白い小説です。
　ぜひお勧めです。

　というのは
　８０年代の後半って
　結構こういうわけの解らないものを受け入れる土壌がありました。
　バケツになんでも放り込んで
　かき混ぜてかき混ぜて
　出来上がったものをそのまま提示するような。

　それでも
　その一見無意味なモノの中に物事の本質を見出そうと
　何かしらの真実が隠れていないかと
　まあ
　そんな「自分探し」が流行った時代は
　古き良き時代です。

　同時進行で
　信仰宗教にはまる人間も結構増えてきて

　
　そうです。
　あの「オウム真理教」の地下鉄サリン事件が起こるまでは。

　そこから日本は一気に勧善懲悪になっていく
　訳の分からないものは「悪」となって行くのですね。
　阪神大震災は別にカルト教団が起こしたわけじゃないのですが
　その打撃が冷めやらぬ時期でしたから
　衝撃は日本全国を駆け巡りました。

　そして
　科学的に理解不要なもの
　芸術性を追求するために
　人間の醜いものを中心に書かれた映画などは
　どんどん立ち位置を失っていったような気がします。

　70年代の後半からバブルまでが
　安保闘争のトラウマを引きずったものだとすると
　
　90年代後半から今までは
　未だにオウム事件を引きずっている
　僕の目にはそう見えるのですが
　そうなのでしょう。

　訳の解らないものを
　単純に信用をするのではなく
　そこに自分自身の眼を持って臨む姿勢があれば
　何も怖くはないと思うのです。

　さて
　この高橋さんの小説
　本当に面白い

　最近出た

「悪」と戦う
著者：高橋源一郎
河出書房新社(2010-05-17)
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　これもついでに読み返しました。
　この小説も正に
　高橋さんの初期の小説の流れを組むものです。

　そろそろこんな小説も
　再び読まれるようになっていくといいと思います。

　実は
　皆も
　そういうものを読みたいんじゃないかな。

　でなけりゃ
　「１Ｑ８４」が
　あんなに売れる訳ないもんね。
　
　大切なのは
　評論家の意見なんか気にせずに
　自分の頭で考えて読むことです。　
　自分一人が持つ感想があったっていいし
　自分だけが受ける影響ってのもあっていい。

　皆が同じように感動するような
　今の映画の在り方の方が
　むしろ
　危機を感じるのです。

　
　　　　　

2010年08月21日23:27

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オリジナリティに対する不寛容（村上ロングインタビュー二日目）

風の歌を聴け (講談社文庫)
著者：村上春樹
講談社(2004-09-15)
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　てなわけで
　本日は講習も休み。
　朝起きて練習用の新作を少々書きました。
　
　作品を書くというのは
　とても楽しい作業なのですが
　上演を前提とした作品を書くとなると
　単に楽しみだけではありません。

　先日の公演が終わり
　２日間次の上演をどうするかを考えた結果
　まあ
　　私がまた次の脚本を書くことになったわけです。
　２日間
　「私が書く」
　と言わなかった理由は
　ここは部活動であり
　自分たちでどうしてもやりたいものがあればそれを尊重したい。
　だけど私ごときに少々突っ込まれて引いてしまう位なら
　破綻は目に見えてますから
　その辺をじっくり考えさせたわけです。

　で
　まあ書くという作業は
　inputとoutputのバランスが大切だから
　そうでなければ
　自分の自己主張になってしまうので
　その辺は
　参考とする文献やら小説やら
　役者達の様子を見ながら
　少しづつ書いて行こうと思います。

　　☆　☆　☆

　村上春樹「ロングインタビュー」の続きです。

　かつてあの黒澤明でさえそうだったのですから仕方ないのですが
　日本というのは大変保守的で
　周囲が評価するかしないか見ながら
　そして権威ある人の反応を見ながら
　そのものを評価する
　そういう傾向があります。

　つまり
　異質なものに対しては
　権威あるものが「◎」と判断しないうちは
　自信を持って評価をできないということなのです。

　黒澤明の映画を本当に評価したのは海外からでした。
　あんなにも優れた映画作品を作った人間でさえ
　常に借金をし映画を作っていたことは有名な話です。

　小説の世界にもかつて（今もあるのでしょうが）
　文壇というものがありました。
　ある意味大変日本文学に対しては貢献したのでしょうけど
　はっきり言って
　文学が大衆から離れていく理由も同時に作ったことは否めません。

　演劇界でも
　まあ
　保守的な人々が「岸田戯曲賞」の選考委員になったために
　鴻上さんの受賞が１０年も遅れたことは有名な話です。

　村上春樹が「芥川賞」を受賞していないのも同じ理由でしょう。
　そして
　文壇が保守的な演劇界の巨匠にとって
　自分たちが認めないものが
　大衆に大きな支持を得るとき
　
　「無視」という
　権力の行使をします。
　同じく認めたくない権力者で
　徹底的に無視し
　あんなものは
　「大衆に支持されていあるだけで価値はない。」
　とレッテルを貼ることによって
　かろうじて
　自分たちの存在価値を維持しようとします。

　そうです。
　創作意欲と向上心を失った人間にとって
　新しいものは、自分にとって理解できないものは敵なのです。

　そういう日本社会で
　生き残っていくには
　本当にしっかりした仕事をしていくしかありません。

　恐らく
　日本で
　この街で
　本当に面白いものが生まれてこない理由がそこにあるのでしょう。
　
　まったく残念な話だけど
　それでも生き残っているものは
　やはり本物なのでしょうね。

　まあ
　私達もかつて東北大会に出たとき
　多数決で
　「M県の演劇はレベルが低い。」
　そんなことを高校演劇界の保守派（審査員も含む）に言われたらしのですが
　どう観たってあちらのレベルが高いはずはありませんでした。
　そんなレッテル貼らなきゃ守れない位の自信なら
　捨てた方がいいんじゃないですか？
　そう思ってホテルで皆で悔しがったけど
　勝つためにあいつら合わせることの方が
　恥ずかしいことだと
　まあ
　そんなことで
　毎年訳のわからないレベルの低い（笑）芝居やってます。
　
　　　　　　

　　

　
　
　　

早瀬俊@theater_shun

SHUN先生の腹黒日記